グラスウールの防音効果はどのくらい?|断熱もできる「省エネ吸音材」
「グラスウールの防音効果は高い?」
「グラスウールと他の材質との違いは?」
「グラスウールとロックウールの差別化が知りたい」
という、お悩みにお答えします。
グラスウールとは
出典:wikipedia
グラスウールとは、断熱性に優れた防音材のこと。
溶けたガラスをやわらかい繊維状にした断熱材の一種で、熱伝導が抑えられることが特徴です。
家庭やオフィスなどの建築物の改修や新築の場合に、防音性能を高めるために使用されます。
わが家を建築中、大工さんが一生懸命に壁の中にグラスウールを敷きつめていた記憶があります
グラスウールの防音性能について
グラスウールの防音性は高いです。50-55dBの遮音性能があります。
一般的な建築用吸音材料が35-40dBの吸音率なので、グラスウールは約1.5倍から2倍高いということになります。
グラスウールのメリット3つ
グラスウールのメリットを3つにまとめました。
軽量で耐久性が高い
グラスウールは、繊維状の材料であるため密度が低く、軽いです。
また、溶けたガラスを繊維状にした材料であるため、弾性が高く、外部からの圧力や衝撃から抵抗できる耐久性があります。
何年も劣化せずに使えるということですね
無毒である
グラスウールは、天然素材から製造されているため、毒素が含まれていないため、安全です。
また、燃えにくいため、火災の危険性も低いです。
火災の心配が減るのは嬉しいポイント
吸音性がある
グラスウールの吸音性が高い理由は、以下のとおり。
- グラスウールは繊維状の材料であるため、内部に空気がたくさん含まれる
- 空気を多く含むことで、音の振動を吸収し、音の拡散を抑えることができる
- 密度が低いため、音の波長よりも長いところに接触することができ、高周波の音も抑えることができる
これらの特性があるため、吸音性が高いとされます。
女性の声などの高周波の音を吸収してくれるということです
グラスウールのデメリット3つ
グラスウールのデメリットを3つにまとめました。
防水性がない
グラスウールは防水性がなく、水に触れると壊れることがあります。
水に濡れると断熱性能が失われます。注意しましょう
寒さに弱い
グラスウールは極端な低温にさらされるともろくなり、割れてしまうことがあります。
そのため、屋外での使用は適していません。
外ではなく、屋内で使いましょう
遮音効果は高くない
グラスウールは軽くて空気を多く含んでいるので、音の透過がしやすいです。
つまり、遮音効果は期待できません。
遮音シートや石膏ボードなどの遮音材と組み合わせることで、防音性能を上げることができます。
グラスウールと他の吸音材との比較
結論から言うと、グラスウールの防音性は最強ではありません。
どちらかというと、グラスウールよりロックウールの方が防音性能は高いです。なぜならグラスウールの密度は低いので空気が通りやすい。つまり、音も通しやすいのです。
しかし、使用用途によってはグラスウールを選択する価値はあります。
グラスウールをフェルト・ウレタン・ポリエステル・ロックウールと比較してみました。
材質 | 密度 | 吸音性 | 防音性 | 特徴 | |
フェルト | 羊毛 | 比較的低い | 中程度 | 良い | やわらかく、温かみのある触り心地 |
ウレタン | 合成樹脂 | 比較的高い | 高い | 良い | 耐久性が高く、耐水性や耐火性がある |
ポリエステル | 合成樹脂 | 比較的低い | 中程度 | まあまあ | 価格が安く、柔軟性がある |
ロックウール | 鉱物繊維 | 比較的高い | 高い | 良い | 防火性・耐久性・吸音性が高い |
グラスウール | ガラス繊維 | 比較的低い | 中程度 | 良い | 軽量で耐久性、断熱性が高い |
それぞれ特徴があるので、使用用途で使い分けるのがおすすめです。
フェルト系吸音材がおすすめの人
引用:楽天市場
ゴミ・ホコリを掃除機で吸い取れる『フェルト系吸音材』。
気になる汚れは中性洗剤で洗って、アイロンスチームで復元が可能。
匂いが付着した場合は市販の消臭剤を使うこともできます。
キレイ好きさんにピッタリです
ウレタン系吸音材がおすすめの人
引用:楽天市場
音楽スタジオや録音ルームで使われる『ウレタン系吸音材』。
部屋の壁70%以上に使用することで、最大83%の吸音効果があります。
壁一面に使用したとしても、1万円程度で購入することができます
▶️あわせて読みたい「おすすめのウレタン防音材」
ポリエステル系吸音材がおすすめの人
引用:楽天市場
壁に立てかけて使用するだけで室内の音の反響が抑えられる『ポリエステル系吸音材』。
両面テープなど使わずに、小窓やブラインドの間に置くだけで防音ができます。
真っ白な吸音材だと壁の白いお部屋と相性◎。違和感なく貼り付けることができます
▶️あわせて読みたい「ホワイトキューオン使用レビュー」
ロックウール系吸音材がおすすめの人
引用:楽天市場
建築現場で使用される本格建材である『ロックウール系吸音材』。
断熱・保温・耐火・騒音防止効果が高いとして、現場で利用されています。
本格的な防音工事となると1壁あたり約20万円以上かかりますが、自分でDIYすれば6畳の壁で約5万円ほどで対策が可能です。
本格防音壁を作りたい人におすすめ
グラスウール系吸音材がおすすめの人
引用:楽天市場
グラスウールがロックウールより優れている点は
- 軽量
- 価格が安い
です。
910mm×605mmサイズのボードで比較したところ、1枚あたりグラスウールは0.88kgだったのに対して、ロックウールは約4kgもありました。
価格もグラスウールの方が1,000円安いです。
賃貸で防音効果はほしいけど「撤去をラクしたい+安い方がいい」ならグラスウールです
グラスウールを使用するときの注意点
グラスウールは防音効果の期待できる防音材ではありますが、材質はガラスです。
ガラスが加工されてガラス繊維になっているため、施工の際に皮膚に刺さる可能性があります。
もしグラスウール吸音材がクロスで覆われていない場合は、皮膚をガードする手袋や長袖の着衣、保護メガネや帽子などを使用しましょう。
作業後は石けんと水で皮膚を洗い流したり、目洗いをすることも心がけたほうがいいでしょう。
正しく使えば、怖くないのでご安心を
まとめ|グラスウールで音も熱も抑える
防音材としてグラスウールを使う目的は「防音と断熱性」です。
そこそこの予算で音漏れと省エネの両方を叶えたい人は、ぜひグラスウールを選んでほしいと思います。
本記事がお役に立てれば幸いです。